そんなこと、そんなこと言われたら下がれるわけないじゃない。


お気に入りのビジュー付きのパンプスを履いた足を一歩踏み出した。




「そんなこと言うなんてズルい」




「後悔してももう遅いからな。お前が悪い」




そう言って強く強く抱きしめられた。痛いくらいに伝わってくる小坂さんの熱い思い。


こんな風に思われるのが久しぶりで嬉しいのかそれともあたしの気持ちが加速しているのかそれすらわからないけれどただ今はこの気持ちに応えたい。



あたしもギュッと彼の背中に腕を回した。