強く抱きしめられて、交わすキス。


ここまで長かった。辛い気持ち、悲しい思い。不安、苦しみ。寂しさ。


でもそれを全部経験したからこそ、
今のあたしたちなんだ。


まあ、だからこそ職権乱用はご愛顧で。




「長かった。ようやく舞花を本当に俺のものにできる」



あたしの家に戻ってきて、そう呟いた湊。


あたしたちはやっと結ばれた。久しぶりすぎて恥ずかしくて初めてのときのような緊張感。



でも、心から感じる幸福に包まれてあたしたちは二人で離れていた時間を埋めるように抱き合った。