「井沢に言われるまで目先のことばかりだった。誰より俺が瑠夏さんを理解してあげなくちゃいけなかったのに。二人の関係に嫉妬して、逃げて瑠夏さんにぶつかることが出来なかった。だから、これからはずっと俺がそばにいる。瑠夏さん・・・小坂さん・・・今日で幼なじみと言う名の依存からお互いを解放してください」



「康ちゃん、ごめん、ごめんね。あたし、何も分かってなかった」



柴田くんの腕の中で声を上げて泣いている西海さん。あたしに弱音を吐いていた柴田くんはもういない。


体を離した柴田くんはポケットから小さな箱を取り出した。



「瑠夏さん、俺、まだまだ頼りないけれど瑠夏さんを思う気持ちは誰にも負けない。もう、小坂さんを独占したいなんて思わせない。俺が瑠夏さんの全てを独占する」