「認めているからこそ、小坂さんを取られそうで毎日、不安だった。祝福したい気持ちと小坂さんを取られたくない気持ちで。だから井沢のために動いているのにそれをあえて自分で壊してしまう。本当はもうわかってるんだよね?小坂さんも瑠夏さんもお互いがお互いの首を絞めてること」




柴田くんの言葉に涙が止まらない。


お互い好きで一緒にいるわけじゃない。幼馴染という関係が二人をがんじがらめにしていた。


本当は幼馴染こそが友達より、恋人よりずっと脆くて壊れやすい関係なのかもしれない。



だからこそ、二人はその関係をなんとしても壊したくなかった。それはきっとあたしなんかじゃわからない二人の絆なんだと思う。

あたしや柴田くんは二人の絆に苦しめられてきたけれど、二人は二人の絆に苦しめられてきたんだ。



離れなくちゃいけないとわかっているけれど離れられないという強い絆に。