「あたしたちができることは、好きなひとを思うこと。信じることだよ。あたしは湊を信じてるし、西海さんも、柴田くんに見せてもらったあの表情は本物だと思う。

あたしにはわからないけれど幼馴染には幼馴染にしかわからないものがあるのかもしれない。それは何かもわからないけれどあたしも柴田くんも両想いなんだ。それには自信を持とう。相手を裏切るようなことだけはしないでおこうよ」



「・・・井沢は、辛くないのか?異動までさせられて。なんでそんなに平気でいられるんだ?」




あたしの言葉に彼は身体を離し、弱々しく俯く。あたしだって不安がないわけじゃない。


あたしのそばにいない湊のそばに西海さんはいる。


触れられる距離に、今、こうしてあたしたちが同じ場所にいるように二人は同じ場所にいるかもしれない。



でも、でも、あたしは・・・