「あの人が井沢に気があるの知って少しは俺の気持ちを分かって欲しくてヤキモチ妬かせたかったのにそんなの瑠夏さんは気にも止めなかった。むしろ、井沢にあの人を取られないように躍起になってる。・・・異動までさせて」




柴田くん、知っていたんだ。うん、うんわかるよ。あたしだって妬かせたかった。


湊が西海さんといるところを見てあたしがどんな気持ちでいるのかって。




「やっぱり、どんなに好きでも・・・幼馴染には敵わないのかな」




ずっとずっと苦しんでたんだ、柴田くんは一人で。なんだかすごくその姿が弱々しく見えて今にも泣き出しそうでここじゃ全て抱えているものを吐き出せないに違いない。



そう考えたあたしも久しぶりのお酒と疲れとそして少しの甘えもあったんだと思う。



「・・・うちで飲み直す?」