罠にかかったんだ。



チーフマネージャーの力量のないあたしを無理矢理推薦することでもし失敗すれば自分の処分も省みないくらいあたしは彼女から『排除』の対処になった。



「井沢さん、新店舗でチーフマネージャーとして頑張ってね」




あたしの肩を力強く掴んでコツコツとヒールの音を響かせながら彼女も部屋を出て行った。




時計の音だけが響く。本当なら今日は彼の家で過ごすはずだった。



それなのに、今は好きな彼の姿を目の当たりにするのが辛かった。