「単刀直入に言うわ。湊に近づかないで」




少し離れた人気のないところで彼女はそう言い放った。



自分のものみたいな言い方をする彼女にイライラが募る。嫉妬してる、あたし。




「どうして、西海さんがそんなことを言うんですか?」




「どうして?ってどういうこと?」




「だって、西海さん、柴田くんと付き合ってるんですよね?あたし、携帯見せてもらいました。西海さん、すごく幸せそうな顔をしてました。それなのに、どうして?」




あたしの問いかけにクスっと笑った彼女は勝ち誇ったように言葉を放った。




「あたし康ちゃんも好きだけど、湊も手放したくないの」