「わっ、お、同じクラスだったんですね」

この人と同じクラスだったんだ…
なんだろう、アタシ、同じクラスで
嬉しいって思ってる。

「奇遇だね。
 同じクラスだったなんて」

ニッコリと爽やかな笑顔を
アタシに見せてくれた。

「えっ、あ、はい!」

どど、ど、どうすればいいのか
さっぱりなんですけど…


「あーまりの席あそこだってさー」

ハルがアタシの腕をグイッと
無理やり引っ張る。

「は、ハル⁉ 痛いよ⁉」

そして、アタシを席に座らせると


「あんた一目惚れした?」

「―――はい?」

一瞬、カチンと体が止まる。

え…これってぞくに言う
『一目惚れ』ってやつなの?


「ち、違う、違う!
 そんなわけないしっ」

そうだよね、違うにきまってる。
アタシなんかが…

「はぁ…それじゃ、虎河が
 可愛そうじゃんか」

「………は、はいぃっ⁉」


なんでそのタイミングで
たいがの名前がでてくんの⁉


「たいがは関係ないじゃん」

「あんたってホント鈍感だよね」

「え? なに言って――」


ガラッ


「お前らー先生そろそろ来るぞー」

たいががどうどうと入ってくる。

「あれ、お前来てたんだ。
 じゃあこのクラスで1年間よろしくっ」

「何がよろしくー よ⁉
 だいたいね、あんたってば…」


ガラッ


また扉が開く音がする。

「おーおー。修羅場か?
 ケンカはよそでやりなさい。」


このタイミングで先生のご登場。

それと同時に女子が騒ぎ出す。

「ねぇ、ねぇ。あの先生若くない⁉」
「結構、カッコいいじゃんっ」

先生のどこがいいんだか。
アタシには見当もつかないけど。