「だいじょーぶぅ?
 さっき転びかけてたよねぇ」

「あ、もえ…
 うん。大丈夫だけど…」

さっきの人なんだったんだろう…
なんか、周りの人と雰囲気が違うって言うか…


「お。クラス一緒じゃん」

「えっ⁉ハルと一緒⁉」

まぁ、さっきの人のことは忘れて。

クラス表をまじまじと見つめてみると、


「えーっと…?
 アタシは1年B組か」

…ん?
幻覚かと思いもう一度見直してみる。


「ふ…藤谷虎河ぁ⁉」

「同じクラスだったんだねぇ」

高校になってもあいつと
同じクラスになってしまうのか…

さっき言ってた「面白いこと」って
このことだったのか…


「私はA組かぁ…
 2人と離れちゃうなぁ」

もえは一緒じゃないのか。

「じゃあ、入学式が終わったら
 またここでね!」

そういってもえと別れ
ハルと一緒に教室に向かう。


「ところで、まり。
 さっきの男は誰だったんだ?」

「…へっ⁇」

もしかして、見られてた…⁉

「いや、あの、さ…
 転びそうになったから助けてもらったの」

「ふーん。へぇー」

な、なんですかその目は⁉

「あっ、ついたよ!
 ここがB組の教室みたいだね」

ちょっぴりワクワクしながら
教室の扉を開ける。


「―――あっ」

扉のすぐ近くに男の人が立ってた。

あれ? この人ってさっきの…

「あ、君はもしかして…
 さっきの?」