「え? えーっと…
 クラス表だよ、クラス表!」

「あぁ。まだ見てないや」

一番大事なクラス表を
見てなかったなんて…
早く見なければっ!

「どこにあるっけ?」

「玄関に入ったらすぐに、
 人がたまってるところに行けばいいよ」

「あっ、マジ⁉ありがとうっ!
 もえ、ハル、行こう行こう‼」

この2人と一緒のクラスだといいなぁ。


「あっ、まり!」

「なんですか、た・い・が君」

「…クラス表、面白いことになってたぜ。
 俺は先に行ってるからなー」

「はぁ⁉」

面白いことって…
なんだか嫌な感じしかしないんですけど。




「…人が邪魔でまったく見えないな」

「…ごもっとも」

先にクラス表見ておけばよかったかな…


「すいませーん、通してくださーい」

あと、もう、ちょ、いいっ!


ガッ


「わっ…」

やばっ…転んじゃ…


「…っと」

「あれ…痛く…ない?」


「大丈夫? 怪我はない?」

上の方に顔を向けると、
男の人がアタシを後ろからだっこする形で
支えてくれてた。

「わっ、すいません。
 ありがとうございます」

「そっか。それじゃ気を付けてね」

そう言ってあの男の人は
人ごみの中に消えていった。


「だれだろ…あの人」

アタシの心臓はまだドキドキしてた。