あたしはヒロトを呼んだ。
「結果から言うと、
ユウナさんは妊娠してるわ。」
「…。」
あたしはなんともいえない感情に襲われた。
驚き、絶望、ヒロトへの罪悪感、先輩への怒り、
そして…
だれにも祝福されない赤ちゃんへの申し訳なさ。
「あなたはまだ若いから…
こんなことを言うのは酷だけど、
堕ろすか堕ろさないかはよく考えてね?」
産婦人科を出るときに先生があたしに言った。
帰り道はヒロトへの罪悪感が大きくなるばかりで…
ヒロトはさっきから暗い表情…
こんな顔をさてるのはあたしだ……
いろいろ考えてるうちに家についた。
「…ヒロト、送ってくれてありがとう。
それと…
ごッ…ごめんなさいッ…」
こらえてたのに…
涙があふれて来た。
--ギュッ
ヒロトがあたしを抱きしめる。
「…ヒロト?」
「…俺の子じゃ……ないんだよな…?」
「ッごめん…」
ごめんね、ヒロト______
ヒロトはあたしを抱きしめる腕を強める。
「堕ろしたくないんだろ?
…俺は誰との子だとしても
お前の子には変わりはない。
ユウナが産むんだったら、
俺はユウナと子供を一生大事にする…」
ヒロト…
"堕ろしたくない"
心の片隅にあって、
見てみぬフリをしていたこと…
それに気づいちゃうなんて。
ヒロトはやっぱりすごいや…
涙が溢れてとまらない___
「___それでヒロトは…
ヒロトは辛くないの!?
ううん。
それ以前に、怒らないの!?
あたしのこと怒っていいんだよ?
ヒロトは優しすぎるよ……」
そう。。。
ヒロトは優しすぎるんだよ…