歓迎会の数日後、私は、思いもよらないことに、とても、びっくりしていた。
それは、短距離の選手が、安藤君と私しかいないこと。
リレーの練習や、種目練は、私達にとって、とても気まずいものだった。
そんなある日、安藤君が、私に、ふと、こんなことを、聞いてきた。
「樋脇ってよぉ・・・T町に住んでたことねぇか?」と。
私は、真剣な瞳で質問してくる、安藤君を目の前に赤面してしまった。
安藤君も、私につられてかわかんないけど、赤面した。
私はとっさに質問に答えた。「うん。あるよ。安藤君も?」と聞いた。
内心、そんな偶然絶対にないだろうとおもっていた。
しかし・・・「樋脇の父さん、そこの町で、樋脇総合病院の院長代理やってただろ。」
私は、「えっ」と言ってしまった。なぜなら、その病院を知っているのは、たぶん、いや絶対。T町にいたひとにしかわからないような小さい小児科びょういんだったからだ。
「なんで、知ってるの?」私は、息を整えていった。すると、安藤君は、「愛の力」と言い赤面した。
私は、どんな態度をとっていいか分からず、部活は、習いもしていないピアノを理由に部活を、早退した。