私の名前は、樋脇明日成。
和英館中学2年だ。
私は、小5のときに病気を患い、ほんの少し前まで、東京の病院で入院していた。
そんな私が、部活に入りたいと思ったのは、中2の2学期だった。
教室から見える、ある部活の掛声、足音。その声と音がだいすきだったのだ。
私が、興味を持った部活・・・そう。陸上部だ。実は、こんな私でも、4年の時は、50メートル走が7秒台だったのだ。
さっそく私は、担任のハゲ星野に入部届をもらい、医師の父親、看護師の母親をなんとか説得し、やっとの思いで、保護者の印鑑をもらえた。
次の日。星野に、入部届を渡し、放課後になった。
私は、不安と、期待をよそに、陸上部の部室に行った。すると、先輩や、同級生、後輩が、私を歓迎してくれた。
その時・・・・・・「パッ」一人の男の子と目が合った。同級生の、安藤司だ。
安藤君は、私と目が合うと、すぐ目をそらし、赤面していた。
なんだか、私も、つられて、赤面してしまった。
どんな人なんだろう?と思い、誰よりも先に私に話しかけてくれた、坂井玲先輩に聞いてみると、私が志望していた種目、短距離の100メートルの選手らしい。去年は、県大会で優勝。全国大会までいった、つわものだ。
偶然にも、安藤君と私は、2-6。クラスがいっしょだったのだ。
そんな、男の子と、恋をするなんて、このころの私は、思ってもみなかった・・・・。。