明日の文化祭の準備も難なく終わり、一人で部室に佇む。

準備と言っても、他の部員は適当に写真を提出しに来ただけで、展示のレイアウトなどは全て一人で済ませた。

「明日も頼むぜ」と言い残し、残りの部員はあっさりと帰ってしまったのだ。



昼間の言葉がまだ頭の中に残っていて、思い切り床の上に寝転がり天井を見上げ、綺麗な夕日の色に染まった窓の外の雲を見る。



あの日、放課後の教室で木ノ内さんに声を掛けられて、僕たちの特別な時間は始まった。

いや、僕たちと思っているのは実は僕だけで、木ノ内さんは何も思っていないのかもしれない。

それだけではなく、もしかしたら迷惑とさえ思っているのかもしれない。


あまりにもいい雰囲気だったから


親友の言葉が頭を過ぎり、余計に混乱状態に陥り、思い切り頭を掻き毟る。


「もう何が何だか、さっぱり分からないよ」


半ばやけくそになった叫び声が部室に響き渡った。