「お前、木ノ内さんと付き合っているの?」


文化祭の前日。

明日に備えて演劇部は昼休みも稽古をするということで、珍しく教室で親友と昼食を済ませていた。

久しぶりの教室での昼食はどこか落ち着かず、あまり箸が進まないところに親友が耳元で囁いてきた。



教室を見渡すと、それぞれが仲の良いもの同士で集まりかなりざわついているため、今のこいつの声が聞こえたものはいなかったようだ。


「ちょっと・・・」


そう言い、二人で教室を出ることにした。