気付かぬうちに眉間に皺を寄せていたらしく、どないしたんや? 不味いんか? と水上さんが不安そうな顔を向けてきた。

いえいえ、滅相もございません。
不味いなんて、とんでもない。
ちょっと、虫唾の走る過去を思い出していただけでございます。

あたしは気を取り直し、表情を和らげる。

「とっても美味しいです」
「なら、美味そうな顔してろや」

ごもっとも。

多少、剣のある顔を向け窘められてからは、ただひたすら食事に集中した。