大学生になると奴はさっさと家を出て、まだ中学生だったあたしは借金まみれの父親と二人の生活をしいられた。

つか、オヤジがあんなに借金まみれだとは、あたしも初めは知らんかったんだけどね。

だから、一緒に来るか? なんて、口角を上げて笑った兄貴に着いて行ったら、一生苛め続けられると思い、梃子でも動かん! と家に留まったわけだけど、それが裏目に出ちゃって借金のあり地獄ってわけ。

大体が、うちの家族は、ろくなもんじゃないのだ。

くっそぉ、兄貴登場のせいで、せっかくの美味しい料理が不味くなりそうだ。

ぶるぶると二・三度小さく首を振り、厭な過去を振り払う。