小さい頃から苛め倒されて、いつか仕返ししてやる! と胸に誓っていたが、六歳の年の差は大きかった。

テレビのチャンネルは速攻変えられ、夕ご飯のおかずは横取りされ、食器を割った罪をきせられ、おやつだってあたしの口に入ることは稀なくらい。

でも、そんな事は序の口で。

まだまともに泳げないあたしを、深いプールに突き落としたり。
かくれんぼと称して、あたしを神社の境内に閉じ込めたまま家に帰り、捜索願が出るとあたしが家出をしたんだと言い張ったり。
したくもないプロレスごっこの相手を無理矢理やらされた挙句、それがエスカレートして、布団の上から羽交い絞めされて窒息死しそうになったり。

とにかく、一生懸命に両腕振り回しても、大きな片手でおでこ辺りを押さえつけられて、ブンブン空振り、みたいな、そんな感じなのだ。

なんともアニメチックだけれど、それが現実だった。