だけじゃないよ!


今、思いっ切り貶しましたよね



この人……




「…もういいもん!」




ふんっと顔をそむけて、悠雅の



腕から逃れようとする。





…けど、結構強い力で掴まれていて



どうにも振りほどけない。




それどころか…




「きゃっ…」



ぐいっと腕を引っ張られて、悠雅の



胸に顔をうずめるような形に



なってしまうあたし。






「暴れないの、美夜ちゃん」



その声は、いつも通りな



意地悪な声色で…




少し悠雅の顔を盗み見ると、


とても整った綺麗な顔立ちが…



とても意地悪そうな笑みを浮かべて…



あたしを見下ろしていた。