「ここの階段...」
しばらく歩いて、ふと右にあった階段をみた。
「どうした?」
諒が、足を止めた私に気づいたのか後ろをふりむく。
「諒、ここ。」
「...あ、」
小学校の頃、四人で遊んだ場所。
階段を登るとお寺があって、もっと先に行くと街全体を見渡せるところがあったはずだ。
晴がよく、迷子になってた気がする...
「懐かしいな。」
諒も思い出したのか、階段のほうを見て笑っていた。
「池とかもあったよね」
「そうそう。小6の時さ、そこに理紗が落ちて大パニックだったんだよな」
幸い、池はとても浅くて全然大したことは無かったんだけど...
大人達に叱られ、ここには、もう来ちゃいけないことになってしまった。