ガチャ。

 重い部室のドアを静かに開ける。
 さっきまで聞こえていた明るい笑い声
 がピタッと止まり全員の目が私に注目する。
 「みんな早く行こう」
 「1年のくせに遅れて来てんじゃねーよ」
 そんな言葉が私に浴びせられる。

 大丈夫。いつもの事だ。
 私はそう言って自分を落ち着かせる。
 それでも毎日のように体は震える。

 「紗希!大丈夫?」
 そんな私に声をかけてくれるのは
 同じバスケ部の戸田千春。
 
 私達はこの春、この私立東海高校のバスケ部に入部した。
 私の名前は園上紗希。中学からバスケ部に入って
 いたので高校でもバスケ部に入部した。

 「どうして?なんで来たの」
 「今来ても紗希が辛いだけじゃない」

 千春は震える私の体をなでてくれた。
 「ううん。大丈夫。私、バスケやりたいもん!」
 精一杯の笑顔を私は千春に向けた。