~それでも、まだ。~
姫璃side
ヂューヂュー。
ガシャガシャッ…。
夕飯を作るお母さん。
部屋で勉強をする私。
お母さんは、
やたらと音がでかい。
料理の味は、本当に美味しい。
だけど、騒がしい。
どうしてこんなにも、うるさくなるのだろうか。疑問で仕方ない。
「ひ~め~、ご飯よ~」
「わかった~今行く!」
私は、教科書とノートと、参考本を閉じて、
部屋を出た。
まだ、肌寒いこの季節。
竜樹が風邪をひいてないか、
不安で仕方ない。
階段をおり、リビングのドアのぶに
手をかける。
「ねぇ。竜樹…
最近、帰ってきなさすぎよ。」
「そうだな~
でも、あいつに大切な人が
出来たのだとしたら…
許してやりたいと俺は思う。」
「でも…」
珍しく二人が真剣に話してる。
昔から二人は言う。
『本当に大事なひと』と…
「あぁ~お腹減った♪
そういや、竜樹、今日もいらないってさ!」
そうやって、わざと、
明るくし、話した。
本当は…
心がズタズタで、
もうダメなほどなのに…
本当は言いたい。
『竜樹は、色んな女の子と
遊んでるんだよ。
エッチなことして、女の子とっかえひっかえしてるんだよ。』
って…
竜樹は、大事なひとなんて作ってないよ。
今日も、三人で夕飯を食べる。
いつも…一人かけてる。
竜樹は…いない。