本当に長い時間が流れていたと思う。

ほとんどの客はいなくなり、
出店の明かりも提灯も消えて
祭りの後だった。

「…そろそろ帰らなきゃ」

「北條さんは、どうするの?」

「とりあえず、浴衣脱がなきゃいけないし実家に帰ろうかと思ってたんだけど…」

「明日仕事は?」

「ないよ」

「じゃあ…俺が脱がせちゃだめ?」

「えっ…それは…!!!!」

やばいやばいやばい。

土井くんが何を考えてるか…
さすがにわかるけど。

このままじゃ私…

精一杯の力で
土井くんを突き放そうとした。