「そっか…」
と、項垂れる土井くん。

「ごめん、まだ、気持ちが整理できてなくて…
ほら、私、元彼に振られたばっかりじゃん?
だから、もし振られたらって思っちゃうんだよね…」

土井くんのことはきらいじゃない。
だけど、嫌われるのが怖い。

そしたら、突然、土井くんは私の頭をぽんと叩いて

「ごめんね、俺、舞い上がってたんだ」

って言った。

「北條さんに会えただけでうれしいと思った。
ブログの中でしか見れなかった。
勇気がなくてコメントも書けなかったけど、
最後の最後でメッセージを送らなきゃ、
もう二度と関われないって思って。
北條さんと関われただけで嬉しかったのに、
もっと知りたいなんて、欲が出ちゃったんだな」

泣きそうな目で笑いながら、こう続けた。

「すぐ付き合って欲しいだなんて思ってないよ。
ただ、俺のことも、少し知ってほしかった。
俺のこと知って、好きになれないなら、
それでいいからさ、とりあえずお友達になってよ。」

と、手を差し出した。