そういえば今も彼氏いないけど。

でも今度は、ちゃんとみんなの輪の中にいる。

そして、土井くんも…

私は無意識に、花火に願っていた。

今度は、ちゃんと、私だけを見てくれる
大事な人と花火を見ることができますように…

こんな風に願掛けしながら花火を見るのも
7年ぶりのことだった。

ちょっと、10代のころに戻った気分になった。

花火に夢中になってたけれど
気づいたら隣に土井くんが座っていた。

なんでかな…

すごくすごく心地いい。

ホワイトムスクの香りと、
花火の火薬の香りと、
夏の夕べの湿った空気

私はすっかり酔いしれそうだった。