「はいはーい、邪魔しないでよね林くん、
今、超いいところなんだからさ!
土井くんがんばれーっ!」

えみも調子よく声援を送る。

結局、土井くんは5匹も金魚を捕まえた。
さすがに全部は持ち帰れないので、
2匹だけもらって、私に手渡した。

「えっ、なんで私に?」

「あれ、いらなかった?
一人暮らしの寂しい部屋に
ペットはいやされると思うよ」

にっこり微笑んで、私の手に紐を掛けた。

そっと触れる大きな手…

それだけですごくどきどきした。