先々歩いてく、今沢の斜め後ろをついていく。



「…ねぇ、あんたは教室に戻りなよ」

「俺はテストできるから」



………。



「面倒くさいんでしょ?」

「はは、お前と一緒にすんな」



なんて、のんきに笑う今沢を見上げると、さっきの事を思い出しちゃって。



また恥ずかしくなって、下を向く。



そんなことを繰り返していると今沢は突然、



「子は親を選べない、ね」



なんて呟く。



「な、なによ」



自分で言い捨てた言葉だけど、今さら言われると恥ずかしい。



「でも、お嬢様に生まれてよかったんだろ?」

「え」



そ、そんなこと言ってた?



「さっきそう言った」



あたしの反応を見て、今沢はまた笑った。



なーんか。



「…ずるい」

「は?」