家の人たちに、お嬢様とか言われるのは仕方ない、って思ってる。
実際、家ではお嬢様やらせてもらってるし。
「…しいの?」
あたしの口が動いた事で、教室が静まりかえる。
「え、なに?聞こえなーい」
「なにか言った?」
こんのメス豚が。(←言葉遣い)
「なにが楽しいの、って言ってんの」
「なにがって…」
互いに目を合わせるメス豚たち。
「そりゃあたしは、社長の娘だもん」
あたしのスイッチが、完全に切り替わってしまった。
「親にだって甘やかされてきたし、手に入らないモノなんて無かったし」(←注:金持ち自慢ではない)
そう、昔から。
「でも、子は親を選べないの」
「そ、それっ…」
「ま、あたしは選ぼうとは思わないけどね!」
ついにメス豚たちに言ってやった!
“シーーーン…”
「「「………」」」
誰もが目を真ん丸にして、口を開こうとはしない。
え、ちょっと、まずい…?
もしかしてあたし、やっちゃってる?
「…じゃ、じゃあ、そろそろ授業を…」
「先生、あたしやっぱ欠席でいいや」
やっと喋り出した田中の言葉を遮って、あたしは教室のドアに向かう。