『…え、なんでアイツがあそこに?』


 名前も知らない昨日あった黒髪の男子。


 私が待っていた人がいるはずのところに、あいつは立っていた。

 
 
 「~~~~~。----。」

 

 その男は今も舞台の上で挨拶の話をしている。



 ―新入生代表挨拶をするのは入試一位の人―


 つまり、そこにいるひとは今年のトップ。



 私が初めて負けた人。



 『まさか、また見ることになるなんて…』

  あの顔を。(あのきれいな顔を見れたのはよかったけど)


 
 昨日絶対会いたくないと思った人に次の日に会うことになるなんて―


  

  『こんなこと、誰も思わないよ…』


 うん。決めた。 


 『いまみたことは忘れて、会わないことを願おう。』



  うん。そうしよう。 


 最初のうちに会わなければあっちも忘れるよね!こんな不細工な私なんて!

 
 (…自分で思ってて少し悲しくなってきた。)