家に帰ったら、天敵がいた。
人の家のソファなのに我が物顔で悠然と足を組んで、まるで世界が自分中心に回ってるとでも思ってそうな女――水瀬エリカ。
一歌の親友の姉貴だ。
雑誌のモデルでもやってそうな外見だけれど、問題は中身だった。
「何の用だよ」
「余計なお世話を焼きにきたのよ」
人の目をじっと見つめてくるこの女が、俺は苦手だ。
言動が予測できず、その存在自体が理解不能。
そんな水瀬エリカは笑みを浮かべると、いきなり上から物を言ってきた。
「一歌のことは諦めなさい」
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