* * * 心臓が、逸る。 「ふ……」 唇の隙間から舌を差し込むと、一歌が小さく身じろぎをした。 ベッドが軋むたびに、欲望は膨らんでいく。 早く、 早く俺のものに。 キスをしたまま裾から手を滑り込ませると、体温が直に伝わってきた。 一歌の上気した顔や、こぼれる吐息に、鼓動が早まる。 身体が熱い。 そのまま胸に触れようとした瞬間、細い手が俺を阻んだ。