本当のこと言わないと、この指、折る――



剥離骨折した自分の指を楯に、馬鹿げた脅迫をした。

それでも、一歌は俺を好きだと言った。



もちろん、弟としてではなく、家族としてではなく、一人の男として。




気持ちの芯が触れ合う充足感。


抱きしめたときに感じるぬくもりは、夢でもまぼろしでもない。