* * * 腰で結ばれたエプロンの紐って、無性にほどきたくなる。 台所に立つ姿に欲情する俺は、変質的で歪んでいるのかな。 回された俺の腕から逃れようと、一歌はジャガイモを手にしたままで身体をひねった。 「み、瑞貴。だめだよ、居間とか、台所でこういうの……」 その声が、俺の腕の中で放たれるという心地よさ。 拒絶されることのない安心感。 細い身体がすり抜けてしまわないように、さらにきつく抱きしめた。