「一歌はリハビリ室、来なくていいから」


呟くと、すぐに声が返ってくる。


「え、なんで?」

「あの久保ってのに近づくなよ」

「どういうこと……?」



あの男は危ない。



「あいつ、馴れ馴れしいから」

「……」


俺の言葉をどう受け取ったのか、一歌はしばらく黙って、そしてなぜか笑い出した。 


「なに?」


振り返る俺に、首を振って答える。


「ううん、良かったね、指。順調に治ってて」