もっとだ。

もっと深くまで近づきたい。 



一歌の華奢な肩をきつく掴みながら、自分の呼吸を捩じ込むように唇を押し付けた。
 

「ん――」


苦しげな声に気づいて顔を離すと、上気した頬が目に入る。
 
何か言いたげに俺を見上げる一歌を、おそるおそる見返して、瞳の色を推し測った。
 


何を考えてる?


俺に触れられて、どう思ってるんだ――?



覗き込んでも答えを見つけられず、むしろ後ろめたい気持ちになるばかりで、

大きな目から逃れるように細い身体を抱きしめた。