一度昂ぶった感情は、容易には収まらない。 まるで身体中の細胞がひとつひとつ激昂して、叫んでるみたいだ。 もっと。 もっと近づきたい。 一歌の濡れた瞳。 ずっと触れたいと思っていた唇。 抱きしめたときに香る甘いにおいと肌の柔らかさ。 今まで頑強な箱に閉じ込めてきた欲望が、蓋の隙間からじわじわと染み出してくる。