中学2年時の体育の時間、 梅雨の晴れ間、じめついた空気の中で、打順が回ってくるまで野球場のネット裏に待機していた。 「ちょ、瑞貴、あれ、やべぇ」 クラスメイトの汐崎孝太(しおざき こうた)に呼びかけられ、指さされた方向を目で追う。 そこには、2人1組でキャッチボールをしてる同じクラスの女子達がいた。 「女子じゃん。何がやべーの?」 問いかけた瞬間、俺は孝太の言わんとするところを理解した。 真っ白い体操服は、容赦なく太陽の光に晒されて時折生地が白く透ける。