身体の中が真っ黒に焼け焦げたみたいだった。
焼石を1つずつ胃に押し込められていくみたいに、重くて、窮屈で、焼けるような痛みがじわじわと迫ってくる。
やがて頭に思い浮かぶ情景。
一階のダイニングで弟の俺に言い負かされて、悔しそうな、悲しそうな、弱々しい表情を見せた一歌。
あの男に塞がれていたその唇は、
薄く色づいていて、柔らかそうで――
「っ……」
何度も触れてみたいと思ってた。
けど実際にそんなことはできるはずもなく、
身体の底から湧いた欲望がますます膨らんでいくばかりで。
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