心臓がひっくり返るかと思った。
家の玄関先で重なる影。
一歌が、男と――――
瞬間的に、ぐらり、と胸の底が煮えたぎる。
ガシャン!!
気がついたら傍らの自転車を思い切り蹴り倒していた。
「人ん家の前でサカってんじゃねーよサル!」
最大限の毒を吐きながら家の前に立つ男を力の限り睨みつける。
くるくると髪が渦巻いて、腕や腰にはじゃらじゃらとわけのわかんねーものをぶらさげてる、いかにも頭の軽そうな男。
これが、一歌の男――?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…