一歌は一週間前に学校の男に告白された。 そのまま、そのよく知りもしない男と付き合うことにしたらしい。 なんだよそれ。 正直いって一歌には幻滅した。 そんなに軽い女だったのかよ。 告白されたからってすぐ付き合うなんて、そんなの―― 馬鹿みたいじゃないか、俺が。 そんな尻軽な女を、芯から欲してたなんて……。 「くそ」 もう忘れてやる―― そんな決心をして靴先で石ころを蹴飛ばした矢先、俺は角を曲がってから見てしまう。