「……」


問いかけに答えられないでいる俺に言葉を続ける北原。その声は震えてる。


「あたしはね、瑞貴にドキドキしたりキュンとしたりするよ。今だから言うけど、瑞貴が他の女の子としゃべってたら凄くイライラするし、心臓がギュッて苦しくなったり……」


つむがれる言葉が身体に絡みついて、縄でぐるぐる巻きにされたみたいに動けない。


「そういうの、瑞貴はある?」


心臓がひとつ、波打った。


「あたしに、そういうふうになったりする?」


そういうふうに――ドキドキしたり、イライラしたり、苦しくなったり……


それってつまり、心臓の揺らぎってことで。


「……あ…」



俺の心臓が、揺らぐ相手は――――