* * *


「ねえ、キス、していい?」


学校帰りのゲーセン。

からのコンビニ。


からの……キスしていい???



「えっ……、わっ」


唐突な申し出に、持っていたコンビニのから揚げを落としそうになった。


「大丈夫?」


まっすぐの黒髪をさらりと揺らして顔を覗き込んでくる北原。


「あ…、うん」


夏休みが明けて数週間が経った夕暮れ。頬を掠めていく風は涼やかだ。