一瞬浮かびそうなった顔を慌ててかき消した。

代わりに今日付き合うことになったばかりの北原を思い浮かべる。と同時にいつか体育の時間に見た透けブラも浮かび上がった。

のに――


北原とヤるとか、全然現実的じゃない。


なんでだ? 付き合い始めたばっかだから?


自問自答しながら、睨むように見据えてきたあの気の強そうな目を思い浮かべる。


テレビ画面の中では仰向けになった女が激しくも悩ましい声を上げていて、男がそれを制するように唇を合わせていた。


「……」


画面の中の裸の女に北原を重ねる気にはならないけど、


でもまぁ、

キスくらいはするかもしれない。