* * * 「おー瑞貴、遅かったな」 大学病院から近い居酒屋で、同僚たちはすでにでき上がっていた。 同期の研修医仲間が3人と、上級医が1人。 神経を使う医療行為から一時的に開放され、緊張が緩んだ顔をアルコールで染めてる。 「悪い、明日の抄読会の準備してたら捕まってさ」 しかも主治医が出払ってる間に心停止なんて笑えない。 ため息をつきながら椅子に座ると「運が悪かったなー」と言って南沢がコップにビールをついでくれた。