疲れていても穏やかな表情を崩さなかった父親の顔に、急に厳格な皺が刻まれ、一瞬だけひるむ。
 

「……父さん?」


 
痩せた頬を歪ませながら、血のつながらない父親は俺を見つめた。



「お前はいつも、そうやって変なふうに遠慮して」


 
言葉尻がかすれる。

 
普段あまり会話をしない父親は、改めて対峙すると細かい皺がいくつもできていた。
 
年齢よりも老けて見えるかもしれない。

 
いつの間に年をとっていたんだと、驚くぐらい……。