いやだ。



 
失いたくない。





 
子供のように叫んで、感情をぶつけてやろうかと思った。

 
そのとき、一歌が優しげに表情を崩す。





「ずっと、願ってるよ……」





 
小さな唇からこぼれた言葉に、




「瑞貴の幸せを」



 
胸の奥を掴まれる。