「セックスしよう」 いきなり部屋に入ってきたと思ったら、一歌はそんなことを口にした。 「は……?」 眉を寄せる俺に、真っ赤になって言葉を続ける。 「はじめては、瑞貴がいいから」 馬鹿じゃないかと思った。 最初だからって、それがなんの意味を持つ? どうせ離れてしまうのに。 それとも、体を重ねれば一歌の気持ちは変わるのだろうか? それなら――