静まり返った廊下の片隅に、2人の会話だけが響いていた。



「運命の、方から……?」


一歌の声と、


「そうだよ。だから、頑張って自分の人生を生きてなきゃダメ」


偉そうな口ぶりのエリカ。


「……私も、エリカちゃんみたいに、いい恋愛がしたかったな……」

「してんじゃない」

「え……?」

「瑞貴と。恋愛の楽しさもツラさも、痛いくらい学んでるでしょ?」

 

 
女たちの声が、俺の感情を波立たせていく。