「あんたと付き合ってて、なんの悩みも心配事もない幸せな表情をしてるっていえるの!?」



エリカの言葉が鋭いナイフになって、胸をえぐる。



なんで……


本気で一歌を想っているのに、

一歌だって俺を想っているはずなのに、


彼女の顔には翳りが浮かんでいた。


 

なんでだよ。




二人の間に確かな愛があるのに、



それ以外になにが必要だっていうんだ――